菅野 |
トラフには、僕が立ち上げた「江戸意匠」というブランドに、デザイナーとして参加してもらってるんだよね。 |
禿 |
はい。 |
菅野 |
デザイナーの橋本誠さんからの紹介で。 |
鈴野 |
橋本さんとは、僕が独立する前からお付き合いがあったんです。 |
菅野 |
江戸意匠で会う機会が多くなって、話す機会も増えたよね。僕ね、トラフの2人に会うのが、毎回楽しみなんですよ。 |
鈴野 |
そうなんですか? ありがとうございます。 |
菅野 |
世代は違うのに、不思議と話が合うんだよなぁ。 |
鈴野 |
僕らはこれまで、プロダクトデザイナーの方と一緒にお仕事をする機会がなかったので、江戸意匠での収穫はすごく大きなものでした。 |
禿 |
そうですね。 |
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鈴野 |
例えば、プレゼンの仕方ひとつとっても、建築とは全く違って。とても刺激的でした。 |
禿 |
職人さんとあれだけ密に共同作業をやることって、建築ではないですからね。 |
菅野 |
逆に僕らプロダクトデザイナーの立場からみると、トラフの作品はとても新鮮でしたよ。 |
鈴野 |
そうですか。 |
菅野 |
すでに出来上がっているプロポーションに対して、何かを表現していくという行為は、リノベーションにも似ていてとても建築的だよね。 |
鈴野 |
そうかもしれないですね。今ちょうどリノベーションのプロジェクトが進行中なんですけど、既にある昔のモノに手を加えることで、より良いモノを残したいという思いは常にあります。 |
菅野 |
なるほどね。 |
鈴野 |
建築家の中には、インテリアデザインのお仕事に抵抗のある人もいるそうですが、僕らは全くないですね。 |
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禿 |
僕は、建築もインテリアも、同じように周囲の環境から影響を受けると思ってるんです。 |
菅野 |
うん。 |
禿 |
特にインテリアに対しては、与えられた空間を一度きれいに隠して、そこから考えるのではなく、もともとある空間を生かしながら、手を加えたことで周りの雰囲気まで変わるようなものが理想的だと思うんです。 |
菅野 |
プロダクトデザイナーの割合が多かった「江戸意匠」の中で、トラフの存在はとてもいいスパイスだったなぁ。 |
鈴野 |
ありがとうございます。 |