菅野 |
これは、舞台美術? |
鈴野 |
そうです。演劇作家の岡田利規さん率いるチェルフィッチュという劇団の新作です。 |
菅野 |
ほんとに様々だね。 |
鈴野 |
岡田さんは、今注目の演劇作家で、有名な賞もとられている方です。今回の新作「フリータイム」は、ファミレスが舞台なんです。 |
菅野 |
うんうん。 |
鈴野 |
チェルフィッチュの演劇は、動きを多用した抽象的な舞台なので、あまり具体的なセットをつくってしまうと、演劇の内容を制限してしまうことになると思ったんです。 |
菅野 |
なるほど。 |
鈴野 |
そこで、ファミレスの床を50cm高くして、そのラインで家具の足を切ることを提案しました。そうすることで、テーブルの上も舞台として使えるようになり、ファミレスという空間を抽象的に表現できます。 |
菅野 |
はぁー、なるほど。 |
鈴野 |
出来上がってみると、舞台に立っている役者が、まるでふわふわと宙に浮いているみたいで、とても抽象的な存在になって。岡田さんにも気に入ってもらえました。 |
菅野 |
この案がまとまるまで、どのくらいの時間がかかりました? |
鈴野 |
ミーティングを2回くらいしたかな。岡田さんはとてもおもしろい方なので、打ち合わせ中は、脳ミソが楽しんでいるかんじでした。 |
菅野 |
あぁ、楽しいねぇ。 |
鈴野 |
あんな風に、お互いにインスピレーションを受けながら、ひとつのモノをつくり上げていくというのは楽しいです。今後もやりたいことですね。 |