第3話 サンプルをつくって実験してみる。

菅野 これはどんなプロジェクトだったの?
鈴野 エビアン・ボルヴィックを扱うダノンウォーターのオフィス空間の設計です。
菅野 これ、写真で見てもすごいね。
鈴野 クライアントからの要求は、8個の打合せ空間をつくることで、打合せ中のホワイトボードは見せたくないけど、あまり閉鎖的にもしたくないという内容でした。
菅野 なるほど。
鈴野 僕らは、「水」に繋がるようなストーリーを提案しました。これ、まるで水の中にいるように、向こう側の人や景色が歪んで見えるんです。
菅野 へぇ。素材は何をつかったの?
鈴野 直径5cmのガラス管を、合計1000本使いました。
菅野 すごいね。
鈴野 出来上がってみると、ガラス管に移り込む蛍光灯の光が、驚くほど豊かな表情をみせてくれて。これ見ながら歩くとすごいんですよ。ちょっとキケンなくらい。(笑)
菅野 いや、トラフらしいなぁ。
鈴野 光と影はおもしろいですね。
菅野 こういうおもしろさが、まさにトラフらしいよね。こういう素材のおもしろい使い方は、どこから発想しているの?
鈴野 日頃からおもしろそうなことを思いついたときは、サンプルをつくって実験してみるんです。時には、そのストックから提案することもあります。
菅野 なるほどなぁ。いや、おもしろい!
第1話 事務所を立ち上げる予定はなかった。
第2話 建築もインテリアも、同じように周囲の環境から影響を受ける。
第3話 サンプルをつくって実験してみる。
第4話 奥行きのある物語性を持たせたい。
第5話 一番大変だったのは、型枠職人です。
第6話 脳ミソが楽しんでるかんじ。
第7話 この年代は優秀な人が多い。