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今、お仕事をされていて、どんなことを感じていますか? |
萩原 |
これ色んな人が言っている話なので、今更かもしれないですけど、単純に言うと、どう新しい共同体をどうつくっていくのかっていうことに尽きるのかなと。デザインだけじゃなくて、これからの日本の課題。 |
菅野 |
うん。 |
萩原 |
村社会があって、大家族があって、核家族になって、個別に分解されていって今に至るっていうかんじなので、それをどう再構成して、地域とか学校とか、会社とかを含めて作り直すか。そこの繋げ方が最大のポイントですね。 |
菅野 |
そうですね。 |
萩原 |
そこが上手くいけば、訳もなくいいモノがどんどん生み出されていくと思うんです。今は、家族って消費するだけの単位を言いますけど、昔の大家族は生産の立場でもあった。そこはつくし文具店に繋がるんですけど。「つながる暮らしと仕事」っていうもののひとつの側面は、そういうことなんですよ。仕事と暮らしをどう繋げていくのか、これがこれからの一番大きな課題だと思います。 |
菅野 |
なるほど。 |
萩原 |
「つくる」と「使う」でもあるし、「生産」と「消費」でもある。それをもう一回繋げ直すっていうことかな。 |
山田 |
それって一番最初の話に戻って、ビジネスとデザインの話になりますね。例えば僕は今、すごい古い村みたいなところに住んでいて、そうすると成り立つんですよね。自分達が食べるための麦や米を作るっていう役割があって、それが循環して村の中で醤油つくってるとこがあって、加治屋さんも大工さんもあって、村で成り立ってたんですよね。そうするとビジネスとして、誰かがすっごい儲けるっていうことはあんまりなくて。みんな物々交換で生きてる。 |
萩原 |
ね。回ってるだけだからね。 |
山田 |
家作るときはみんなが手伝うみたいな。そういうことができるとほんとは一番いいんだろうなって気がしますけどね。 |
菅野 |
1次産業にもう少しデザインが、どう関わっていくかっていうことをね。 |
萩原 |
そう! 1次産業はすごいポイントですよね。 |
山田 |
1次産業って、今世の中がすごく着目してるじゃないですか。でも、さっき萩原さんが言ったことって、0次産業みたいなところがあって、産業にならないところ、精神的な世界みたいなところがあって、ここがないと実は上に乗っからないんですよね。精神がなかったら身体が動くわけがないし。 |
菅野 |
そうだね。だから1次産業っていうのはこれからのキーポイント、2010年の解決策かもしれないですね。 |
萩原 |
そうですね。ほんとにそう思う。 |
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最近、デザイナーで農業してる人って増えてますよね。 |
萩原 |
だから山田さん先端行ってますよ。どんどん取材にくるよ。どうして農業とデザインが成立するんですか? みたいな。 |
山田 |
農業とデザインが成立するかどうかっていうよりも、村の中で生活が繋がってるなってすごい感じますね、この歳になって。 |
菅野 |
うんうん。 |
萩原 |
でもそれってやっぱり農家だからわかる話で、サラリーマンではその話は全くわからないですね。実感持てない。僕なんか全然わからないもん。 |
山田 |
そこを僕はもっと取り込んでいきたいんですよ。だからもっとアピールをしていかないとね。 |
菅野 |
つまり、東京に集まる必要はないのよ。 |
萩原 |
そうそう! そういう法律つくればいいんだよね。とにかく3代遡って東京にいないんだったら、みんな一度帰れと!(笑) |
菅野 |
そう!(笑) |
萩原 |
だってさ、意識を持った人が1人いれば、地方再生なんて簡単ですよ。すっごく簡単。1人でいいんだもん。そこから変えていける。地方には、お金ばら撒くより人材をばら撒いた方がいいんだよ。 |
菅野 |
ほんとになんで集まるんだろう。 |
萩原 |
いい人材、地方に縁のある人を、とにかく帰す! 東京から。 |
菅野 |
強制送還ですよね。 |
萩原 |
そうそう。そういうプロジェクトにしちゃってさ。47都道府県だから47人、東京から地方に帰せば、もう日本再生は間違いないですね。 |
菅野 |
いや面白いな。 |
萩原 |
うん。でも単純だと思うけどね。そういうことですよ。元気な地方ってそういうことだもん。 |
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農業と強制送還ですか。 |
菅野 |
だめだよ! そういうタイトルにしたら!(笑) |
萩原 |
わけわかんない。(笑) やめましょう。怒られる! |
菅野 |
なんだこれ! みたいな。 |
萩原 |
デザインの話じゃないじゃない! みたいな。(笑) |
菅野 |
いや、でかい話にはなりましたね。(笑) |
萩原 |
確かに、でかいですね。(笑) |
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今日はありがとうございました。 |