菅野 |
火の道具展の話する? 写真ある? |
ミヤケ |
あります。鍋敷き、お鍋が八寸・六寸・四寸、それと香炉が3色、あと薬味鉢が2種類。 |
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菅野 |
買わせていただきました、私。 |
ミヤケ |
ほんとですか? すごい! 光栄です。ありがとうございます。 |
菅野 |
内緒なんだけど、ミヤケさんのだけ買わせていただきました。(笑) |
ミヤケ |
ありがとうございます。光栄です。 |
菅野 |
両親にプレゼントで。 |
ミヤケ |
すごーい! 嬉しい。どれですか? |
菅野 |
小鉢の松ぼっくりがついてるやつ。あれを3つ。 |
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ミヤケ |
ありがとうございます。恐れ入ります。火の道具展は、益子の作家さんとのコラボレーションということで、菅野さんからお声がけいただいて、やらせて頂きました。 |
菅野 |
益子に住んでる四本さんという陶芸作家から、「益子焼が衰退していくばっかりで困ってる。」という相談をいただいたんです。何か、益子を盛り上げる方法がないでしょうか? って。 |
ミヤケ |
はい。 |
菅野 |
よかったら、1度来てくれないかっていうことで行って話を聞いて。やまに大塚という会社を紹介してもらったんだよね。 |
ミヤケ |
なるほど。 |
菅野 |
ただね、デザイナーが関与して、デザイナーズブランドの陶器っていうのもねぇ、あんまり長い間もつようなものにはならないと思ったんで、思い切って鍋だけをどーんとやったの。益子に行ったら鍋がすごい! っていうね。あれはおもしろかったなぁ。 |
ミヤケ |
土鍋がね、けっこう人気なんですよね。 |
菅野 |
そうそう。 |
ミヤケ |
やまに大塚のショールームに行ったとき、おもしろかったですよね。やまにさんのショールームって、すごく広いんですけど、そこに所狭しと焼き物が並んでるんですよ。 |
菅野 |
そうそう。 |
ミヤケ |
そこでいきなり、「作品を見ていただいて、1時間以内にパートナーの職人さんを決めてください。」とか言われて。 |
菅野 |
そうだった! 無茶だよね。(笑) |
ミヤケ |
私以外の人はパニックを起こしてましたね。(笑) 「作家のプロフィールもないのに選べないよ!」とか言って、けっこうみんな焦ってた。 |
菅野 |
あれ作家さん何人くらい集まってたのかなぁ。 |
ミヤケ |
いや、だってあそこのスペース全体にあったんですよ。 |
菅野 |
益子中の作家の作品がぶぁーっと並んでるところで、「はい、選んでください。」って。(笑) デザイナー10人が呆然としちゃってね。 |
ミヤケ |
そうそう。私は10分で決まっちゃったんですけど。 |
菅野 |
早かったねぇ。 |
ミヤケ |
私は自分がモノをつくる人間なので、作品を見ると作家さんの性格はだいたいわかるので、この人は合う、きっとこの人とは合わないっていうのがはっきりしちゃうんです。 |
菅野 |
なるほどね。 |
ミヤケ |
もちろん、コラボさせていただいた作家さん以外にも、いいなぁって思う作品はあったんですけど、やっぱり自分と仕事をするっていう意味において、恐らく年齢とかやりたいモノとかが比較的柔軟というか、近い人というのを、ぱっぱっぱっと選んじゃいました。 |
菅野 |
佐藤友美さんという女性の作家でね、年齢的にも近いのかな。 |
ミヤケ |
そうですね。 |
菅野 |
東京で仕事されてるんですよね。 |
ミヤケ |
はい。やまにさんのところでも、けっこう売れっ子さんだって伺いましたよ。 |
菅野 |
ちょっと毛色の変わった人だよね。ザ・職人! というかんじではなくて。 |
ミヤケ |
ご自分でも、ある程度はデザインができる人。 |
菅野 |
あっという間に決まっちゃったんだよね。 |
ミヤケ |
あとは、技術的に難しいモノを、masaさんと、四本さんにやってもらいました。あのときはすごい楽しかったですね。 |
菅野 |
僕は、あのときが一番苦しかった。(笑) |
ミヤケ |
え、ほんとですか? 私すごく楽しかった。(笑) |
菅野 |
火の道具展ほど苦しかったことは、あまりないかもしれない。 |
ミヤケ |
あ、展示の時期とかですか? |
菅野 |
いや、実は、陶芸作家とデザイナーがかなり当たったのよ。 |
ミヤケ |
そうなんですか? |
菅野 |
もう、空中分解するんじゃないかと思った。 |
ミヤケ |
ほんとに? 私のところ全く問題なかったですよ。 |
菅野 |
全くなかったでしょ? だけど、他は色々あってね、実は大変だったんですよ。 |
ミヤケ |
そうなんですか。まぁ、職人さんですからね。 |
菅野 |
うん。 |
ミヤケ |
ザ・職人さん。 |
菅野 |
やっぱりさ、デザイナーはデザインにミリを求めるわけよ。高さが 5mm 違う、ここのふくらみが全部で 10mm 違うってことをやるわけですよ。デザイナーだから仕方が無いよね。だけど作家さんたちは、手で轆轤をひいてるんだから、そんなにぴったりできるわけがないじゃないかという意見。 |
ミヤケ |
そうですよね。 |
菅野 |
作家さんたちは、雰囲気が出てればいいでしょ? ってなるわけですよ。さらに、作家さんたちは作家さんたちで、自分の手の色を加えたくなってくる。 |
ミヤケ |
うんうん。 |
菅野 |
実を言うと、それは狙ってたことなんだけども、デザイナーにとっては難しかったんだなぁ。 |